戦後の家制度と家系図の意義

かつての日本では「家」が家族制度の中心にありました。いわゆる拡大家族制で、長男が代々家を継ぐことが定められ、土地や財産も分家しながら承継されてきました。家の存続は先祖への責務とされ、子がいない場合には養子を迎えてでも家を守ることが当然と考えられていたのです。そのため、多くの旧家では古くから家系図が残されてました。

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なぜ企業は倒産するのか? ― 長寿企業とは逆の視点から学ぶ、企業存続の真実 ―

企業経営者やビジネスパーソンなら誰しも、「会社を潰したくない」と思うことでしょう。
しかし、実際には毎年多くの企業が市場から姿を消しています。
帝国データバンクの調査では、年間7,000社前後が倒産しており、その原因は単純な「赤字」だけではありません。
この記事では、企業が倒産する主な理由とその背景をわかりやすく解説し、事前に備えるためのヒントをお伝えします。

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100年企業の秘密 ― 日本と世界の長寿企業を比較して見える「持続の本質」 ―

「企業の平均寿命は約30年」と言われる現代において、100年続く企業は奇跡的な存在です。
実はその奇跡、日本ではそう珍しいものではありません。
この記事では、100年以上続く企業を日本と世界で比較しながら、その共通点と違い、そして未来へのヒントを探っていきます。

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海外で200年続く企業は!?

1. 🇩🇪 St. Peter Stiftskulinarium(ザンクト・ペーター修道院レストラン)|オーストリア
創業年:803年
業種:レストラン
特徴:世界最古のレストラン。モーツァルトも訪れたとされる。

2. 🇩🇪 Staffelter Hof(シュタッフェルター・ホフ)|ドイツ
創業年:862年
業種:ワイナリー
特徴:ヨーロッパ最古のワインメーカーのひとつ。

3. 🇮🇹 Barone Ricasoli(バローネ・リカゾリ)|イタリア
創業年:1141年
業種:ワイナリー
特徴:イタリア・トスカーナの名門ワインブランド「キャンティ」の元祖。

4. 🇫🇷 La Maison Troisgros(メゾン・トロワグロ)|フランス
創業年:1930年(やや若いが家業的に数百年続く系譜あり)
業種:フレンチレストラン
特徴:代々ミシュラン三ツ星を維持。フランスの長寿家業系高級レストラン。

戦後戸籍の変化 ― GHQの意向と「核家族化」の影響

私たちが普段目にする戸籍は「夫婦と未婚の子ども」という単位で作られています。これはごく当たり前の形のように思えますが、実は戦後の制度改正の中で作られた、比較的新しい仕組みです。そこにはGHQの意向と家制度廃止が深く関わっていました。

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衛門府(えもんふ)とは?

衛門府(えもんふ)は、律令制下で宮城(きゅうじょう)の門を警備し、通行者を検査する役割を担った官司です。
当初は1つの組織でしたが、大同3年(808年)に左右衛士府へ統合されて一旦廃止。その後、弘仁3年(811年)に左右衛士府が改称される際に復活し、左衛門府・右衛門府の2府体制となりました。

和訓では「ゆげひのつかさ」と呼ばれ、「靫負(ゆげひ)」という漢字をあてることもあります。「靫」とは弓を入れる容器のこと。「ゆげひ」が訛って「ゆぎえ」とも呼ばれました。唐名は「金吾」「監門」「監府」です。長官である衛門督(左衛門督・右衛門督)は、王朝和歌では「柏木」という雅称で詠まれることもありました。

衛門府は、古代から宮城の門警備を担ってきた門部(かどべ)の伝統を受け継ぎ、さらに衛士も配属。758年(天平宝字2年)には藤原仲麻呂の唐風改革で「司門衛」と改称されましたが、彼の失脚後、764年に再び「衛門府」の名称に戻りました。

衛門府は律令制の四等官制に基づき、以下の役職を設置していました。

督(かみ) 長官 正五位上(延暦18年以降は従四位下) 左右各1名
佐(すけ) 次官 従五位下(延暦18年以降は従五位上) 左右各1名
大尉・少尉(じょう) 判官 従六位下・正七位上 各2名
大志・少志(さかん) 主典 正八位下・従八位上 各2名

その他にも、医師(正八位下相当)、門部・衛士(門の警備)、物部(通行人検査)、使部、直丁などが所属していました。

衛門府は、律令制の宮廷警備を担う重要な官司であり、時代ごとの政治改革や制度変更に伴って名称や位置づけを変えつつも、長く宮城の門を守り続けました。その名は和歌や文学にも登場し、古代の宮廷文化を語るうえで欠かせない存在です。