ご先祖を調べる過程では、戸籍や土地記録といった一次資料だけでなく、文化や歴史の知識を学ぶことも大切です。
家紋や氏族のルーツ、そして江戸時代の人々の暮らしを知ることで、調査はより奥行きのあるものになります。
20. 家紋について知る
家紋はしばしば「苗字を絵化したもの」といわれ、家のルーツを推測する上で大きな手がかりとなります。
家紋の始まり
公家家紋と武家家紋の違い
代表的な家紋の由来
といった基礎知識を学ぶことで、家系調査に役立てることができます。
もし「自分の家の家紋が正確に分からない」という場合でも、家紋の確認方法を知れば、自家のルーツ探しに活かせます。
参考文献としておすすめなのが、家紋研究の先駆者・沼田頼輔氏の大著『日本紋章学』です。
同書で沼田氏は昭和元年(1926年)、帝国学士院恩賜賞を受賞しており、学問的価値の高い研究です。
21. 日本人のルーツについて考える
日本人のルーツをたどると、「源平藤橘(げんぺいとうきつ)」に行き着くとよくいわれます。
源氏
平氏
藤原氏
橘氏
これら四大姓は、古代から多くの氏族を取り込み、日本を代表する大族へと発展しました。
江戸時代以降に作成された系図には、ほとんど必ず登場します。
そのため、四大姓については発生・歴史・本支の系図をしっかり学ぶことが重要です。
さらに菅原氏や小野氏、武蔵七党などの主要氏族についても理解を深めます。
あわせて、苗字の由来としてよくある地名由来・官職由来・職業由来のパターンについても考察していきます。
22. 江戸時代の庶民の暮らしを知る
家系調査の面白さは、ご先祖の名前を発見することだけではありません。
その人がどのような社会に生きていたかを知ることで、理解がぐっと深まります。
そのために学ぶべき分野は、
歴史人口学
民俗学
地方史学
江戸風俗
といった学問です。これらを通じて、江戸から明治にかけての庶民の暮らしを具体的にイメージできるようになります。
23. 江戸時代の武士の暮らしを知る
支配階級であった武士の生活を学ぶことも、ご先祖が武士であった場合には重要です。
給与(石高)の額や支払い方法
武士の具体的な職務内容
上級武士と下級武士の違い
「株」の売買や「入れ子」と呼ばれる仕組み
こうした知識を通じて、武家社会の構造や日常が理解できます。
家系調査の中でご先祖が武士であった場合、その暮らしを具体的に想像できるようになるでしょう。
投稿者プロフィール

-
5代目製本業経営者。体を動かす事が趣味でジムに週5回通ってます。
詳しいプロフィールはこちら
最新の投稿
- 2025.09.04最近の5代目三代続く家は栄える?それとも潰れる?
- 2025.09.03最近の5代目江戸時代の武士と「二つの名前」
- 2025.09.02最近の5代目家紋・日本人のルーツ・江戸時代の暮らし ― 家系調査を深めるための学び
- 2025.09.01最近の5代目村方文書・新聞・調査演習 ― 実践的に深めるご先祖調査