戸籍取得の範囲と家系図作成のポイント

戸籍法第10条1項には、「戸籍に記載されている本人、またはその配偶者・直系尊属・直系卑属は、その戸籍の謄本や証明の交付請求ができる」と定められています。
つまり、自分の直系の先祖(父母・祖父母など)の戸籍は請求できますが、配偶者のご先祖の戸籍までは請求できないということになります。

夫婦で家系図を作成する場合は、子どもを起点に請求するか、夫婦それぞれが自分の直系を遡っていく必要があるのです。

「直系先祖の戸籍しか取れない」というと、父方の系統だけしかわからないのでは?と思われるかもしれません。
しかし実際には、母方の先祖も、過去には父方直系の戸籍に同居していた時期があるため、母の名前や生年月日、出身地などの情報が戸籍に残されています。これにより、父母両方の系統をたどっていくことが可能になるのです。

直系先祖は一代ごとに倍々に増えていきます。
明治期の戸籍まで遡ると、4〜7代ほど遡ることになり、結果的に8家系ほどの系統が存在します。そのため、必要になる戸籍は平均して30通程度にのぼります。

全系統を調査する「全家系調査」を行う場合、取得や解読には3ヶ月以上かかる作業になりますが、その分、詳細で信頼性の高い家系図を作ることができます。