家系図を作る際、「本家」や「分家」だけでなく、さらに広い関係性、、、
つまり「同等」と呼ばれるような親類関係まで視野に入れることで、より深いルーツの理解につながります。
今回は、同姓同郷の家と自分の家系がどう関係しているのかを考えるうえでのポイントをまとめます。
■「五等親」だけでは見えない関係もある
民法などでは、親戚関係は一般的に「五等親」までとされています。
しかし実際の家系調査においては、その範囲を超える“遠い親戚”との関わりが出てくることも珍しくありません。
たとえば、同じ地域に同じ名字の家が複数ある場合、それらがもともとは同じ家系から分かれた「同等の家」である可能性があります。
何代前に分かれたかが明確でないとしても、気づいた時点で書き留めておくことが大切です。
■伝説や口伝は「補助資料」として活用する
「〇代前に分かれたらしい」「昔から親戚だと聞いていた」など、地域には家系に関する言い伝えが残っていることもあります。
こうした伝承は、家系図を構築するうえでヒントになりますが、史実と混同しないよう注意が必要です。
あくまで補足情報として記録し、確かな史料とは分けて扱いましょう。
■家の盛衰に惑わされない視点を持つ
家系調査に取り組んでいると、「あの家は昔は名家だった」「いまは見る影もない」といった評価を耳にすることがあります。
しかし、家の栄枯盛衰は歴史の常。
どんなに落ちぶれたように見える家であっても、系譜上の価値や歴史的意義は変わりません。
自分のルーツに関係する可能性があるなら、偏見を持たずに丁寧に調べる姿勢が求められます。
■まずは「同等」の家を洗い出してみよう
調査の初期段階で取り組んでおきたいことは次のとおりです。
・本家・分家以外に、同等と考えられる家をリストアップ
・同じ地域・同じ名字の家を洗い出す
・その家が土着の家か、移住してきた家かを調べる
・明らかに別家と伝えられている家も、情報として記録する
・名字や地域の一致には、何らかの縁がある可能性を想定する
一見関係がなさそうに見える家でも、調査を進めるうちに驚くような接点が見えてくることがあります。
家系調査の面白さは、そうした“つながりの発見”にこそあるのかもしれません。
「よくわからないから省く」のではなく、「今はわからなくても書き留めておく」。
その姿勢が、未来の調査者への大きな贈り物となるでしょう。
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5代目製本業経営者。体を動かす事が趣味でジムに週5回通ってます。
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