家系図作成を進める中で、「先祖は地主だったらしい」「同じ苗字の家と関係あるのかも」など、ルーツをたどるヒントがふと浮かぶことがあります。
ここでは、そうした調査のポイントや、市町村史の活用法についてご紹介します。
❓Q:先祖が地主だったと聞いています。本当かどうかを調べられますか?
✅ A:旧土地台帳の確認がおすすめです。
「旧土地台帳」は、明治22年(1889年)からの土地所有者に関する記録で、以下のような情報が記載されています。
・所有者の氏名・住所
・土地の面積・地価・地目
・取得の理由(相続、売買など)
この旧土地台帳は、法務局で閲覧・コピー申請が可能です。
記載があれば、その土地の所有者=地主だった証拠になります。
また、明治以降に民間出版社から発行された地主名鑑の類も有用です。
国立国会図書館デジタルコレクションなどで「○○県 地主」と検索すると、該当文献が見つかる場合があります。
❓Q:先祖の故郷に同じ苗字の家があります。親戚でしょうか?
✅ A:確定は難しいですが、“家紋”と“DNA”がヒントになります。
同姓の家が先祖と同じ地域に残っている場合、関係がある可能性は十分にあります。
ただし、分家の年代が古い場合は、現在の当主も関係がはっきりわからないことも多いです。
有力な手がかりの一つが家紋の一致です。
・同じ家紋であれば、同族である可能性が高い
・形が似ていて外郭の有無など微差であれば、分家である可能性も
また、欧米ではY染色体(父系遺伝)を使ったDNA検査で同族関係を調べる例が増えています。
日本でも今後、こうした技術が家系調査に取り入れられれば、“何代前に分かれたのか”まで把握できる時代が来るかもしれません。
❓Q:市町村史はどこを読めばよいのですか?
✅ A:通史と資料編に分かれており、目的に応じて読み分けましょう。
市町村史は大きく分けて次の2つの構成になっています。
通史編:地域の歴史を時代順に記述(特に鎌倉時代以降が重要)
→ご先祖が農民・武士・町人など、どんな生活をしていたかを知る手がかりに。
資料編:実際の古文書・記録などを活字化したもの
→除籍にある苗字や、過去帳の名前を頼りに該当の史料を探しましょう。
📌 農村部の先祖を調べるときのポイント
・「宗門改帳」「年貢帳」「村方文書」などの記述に注目
・同じ名前を代々襲名していた場合もあるため、記載名と一致するか
❓Q:読みたい市町村史が、近くの図書館にありません。どうすればいいでしょうか?
✅ A:図書館の「相互貸借制度(ILL)」を活用しましょう。
読みたい書籍(市町村史など)が近隣にない場合でも、全国の図書館からの取り寄せが可能です。
手順は以下の通りです。
①最寄りの図書館で「読みたい本のタイトル」を伝える
②担当窓口で「相互貸借申請書」に記入
③約1~2週間で届き、電話で連絡があります
📌 注意点
・国立国会図書館から借りた本は館内閲覧のみ
・都道府県立図書館から借りた本は、自宅での持ち帰り読書が可能な場合が多いです
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5代目製本業経営者。体を動かす事が趣味でジムに週5回通ってます。
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