戸籍取得後の次の一手 ― 旧土地台帳で広がる先祖調査

明治19年式までの戸籍取得が終わり、先祖探しの基礎資料が揃ったら、次に取り組みたいのが旧土地台帳の取得です。
旧土地台帳とは、国が土地の状況や所有者を把握し、地租(税金)を課すために作成した課税台帳で、現在は各地の法務局に保存されています。

戸籍取得後の先祖調査には多くの方法がありますが、旧土地台帳は費用がかからず、しかも戸籍の郵送請求と似た手順で取得できるため、調査の初期ステップに非常におすすめです。

旧土地台帳が家系図作りに役立つ理由
一見すると土地台帳は家系図とは関係がないように思えます。しかし、所有者の変遷記録は、先祖の暮らしや経済状況を知るための重要な手がかりになります。

土地の承継経路が分かる
子や孫への相続だけでなく、甥への継承や他家からの購入など、意外なつながりが見えてきます。特に本家の土地であれば、代々の「当主」の記録をたどることが可能です。

土地の広さと税額から生活水準を推測できる
所有地の面積や地租の額が分かるため、当時の経済力や村での立ち位置が推し量れます。

こうした情報は、戸籍だけでは分からない先祖の社会的背景を補完してくれます。

保存状況が良く、閲覧できる可能性が高い
家系図作りに欠かせない戸籍は、地域によっては天災や空襲、行政廃棄によって失われている場合があります。
一方で旧土地台帳は、ほとんどの場合廃棄や焼失がなく、地番さえ分かれば80〜90%の確率で閲覧可能です。
※ただし、番屋敷・番戸などで現在の地番が特定できない場合は取得が難しい場合があります。

さらに、旧土地台帳は権利関係を扱う公文書のため、記載内容が正確で信頼性が高い点も魅力です。

調査のすすめ方とまとめ
旧土地台帳は、戸籍取得後の次の調査対象として非常に有効です。
取得の流れは概ね以下の通りです。

 調べたい土地の現在の地番を確認
 該当地域を管轄する法務局に閲覧・交付申請
 所有者の変遷や地租の記録を読み取り、家系図や家族史に反映

戸籍の次は、土地の記録からご先祖の足跡をたどってみませんか。土地が語る物語が、新たな発見をもたらしてくれるはずです。