家系図作成に取り組む中でよくいただくのが、「実際に先祖が暮らしていた土地に行く必要があるのか?」
といったお悩みです。
今回は、現地調査や親戚との交流に関する疑問とその対応方法についてご紹介します。
❓Q:家系図作成には、先祖の住んでいた場所に行かないとダメですか?
✅ A:必ずしも行く必要はありません。多くの調査は自宅で可能です。
ご先祖がかつて暮らしていた土地を訪ねることを「先祖ツーリズム」と呼びます。
土地の風景や地元の歴史に触れ、ルーツを体感することができる貴重な体験ですが、
遠方であったり、時間が取れないなどの事情で、現地に行くことが難しい方も多いと思います。
ご安心ください。家系図作成の大部分は、自宅にいながらでも進めることが可能です。
たとえば、
・除籍謄本や旧土地台帳などの公的記録は郵送で請求可能
・郷土誌や市町村史などの地域資料は、全国の図書館で取り寄せ・閲覧が可能
時間や距離に制限があっても、今はオンラインや郵送を活用して調査を進められる時代です。
無理なく、ご自分のペースで始めてみましょう。
❓Q:遠い親戚と思われる人の家を突然訪ねてもいいですか?
✅ A:まずは手紙で丁寧にご連絡を。段階的なアプローチがおすすめです。
ゼンリン住宅地図や電話帳などを使えば、
ご先祖が住んでいた地域に現在も住んでいる同じ苗字の方を見つけられることがあります。
「もしかして親戚かも?」と思ってすぐに電話をかけたり、直接訪ねたくなる気持ちはとてもよくわかります。
ですが、見知らぬ人から突然の連絡や訪問を受けると、相手は驚き、警戒してしまうことがほとんどです。
そこで、以下のような段階を踏んだアプローチをおすすめします:
まずは手紙でご挨拶を、
– ご自身が家系図作成をしていること
– ご先祖に関する情報を調べていること
– ご迷惑でなければご協力をお願いしたい旨 などを丁寧に伝えましょう。
返信があれば、次は電話でお話を
– お相手の反応を見ながら、会話を進めましょう。
信頼関係が築けてから、訪問をご相談するのが理想的です。
大切なのは、「急がず、丁寧に、誠実に」という姿勢です。
思いがけず素敵なご縁につながることもありますよ。
❓Q:除籍を見ると「〇〇番屋敷」と書かれていました。本当に“屋敷”に住んでいたのですか?
✅ A:いいえ、当時の住所表記であり、“大きな家”という意味ではありません。
「屋敷」という言葉から、つい豪華な邸宅や武家屋敷のような建物を想像してしまいがちですが、
明治時代の除籍に記載されている「〇〇番屋敷」というのは、単に“家”という意味です。
当時は、立派な家も、粗末な小屋のような住居も、すべて「屋敷」として扱われ、
番地の代わりに通し番号が振られていたのです。
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5代目製本業経営者。体を動かす事が趣味でジムに週5回通ってます。
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