系図はどこまで信用できる?──「一等資料」としての見極め方

家系調査を行う際、多くの方が頼りにするのが「系図」や「古文書」などの記録類です。
しかし、すべての資料が同じ信頼性を持っているわけではありません。
特に系図には「誇張」や「誤記」が含まれる可能性があるため、慎重な判断が求められます。
今回は、「系図はどこまで信用できるのか」「本当に信頼すべき資料とは何か」をテーマにお話しします。

■ 系図は誇張されやすい性質のもの
過去帳、位牌、墓石などはその人の生きたときからそれほど遠くない時代にできたものであり、
かつ偽るべき性質のものではない。
だが、系図というのは、できるならば誇張して書きたいという性質をもっている。
その上、正しくかくつもりでも、ある時代に古いものをたどって書いたものゆえに
間違いも多いものである。

従って、信頼すべき「一等資料」とされるのは、

・過去帳
・位牌(いはい)
・墓石

となる。これらは、誇張する理由がないため、非常に信頼性が高い資料とされています。

また、「正確な古文書」「同時代の記録」「見聞を書き留めた日記」なども、有力な一次資料として活用できます。

■ 家系調査に活用できる「地域資料」もある
家の歴史をたどるには、以下のような地域に伝わる資料も非常に有用です。

検地帳(けんちちょう):土地の所有者や年貢の情報を記した帳簿
水帳(みずちょう):「検地帳」=土地台帳のことです。古代律令制下の田籍を記した「御図〈みず〉帳」の当て字といわれている。
村鑑(むらかがみ):江戸時代、各村の田畑高・森林・家数・人口・牛馬数・租税など、村の概況を書いた帳簿