戸籍や土地台帳、軍歴記録などに加えて、寺院や地域史資料を調べることで、ご先祖の足跡をより立体的に描くことができます。
ここでは、菩提寺への照会から郷土誌の活用までをご紹介します。
10. 菩提寺への照会
ご先祖の墓所や過去帳を管理している菩提寺は、家系調査において欠かせない存在です。
北海道では、開拓のために本州から移住した方が多いため、本州時代の菩提寺が分からないケースもあります。
その場合は、現在の宗派を手がかりに、出身地(故地)周辺の寺院に問い合わせをしてみましょう。
寺院探しには、Googleマップなどのオンライン地図も有効に活用できます。
11. 過去帳の整理と系図化
寺院に伝わる過去帳には、ご先祖の
戒名(法名・法号)
俗名
続柄
享年
といった情報が記載されています。これらを整理し、続柄を手がかりに系図を作成します。
さらに戒名を構成する院号・道号・位号を学ぶことで、ご先祖の宗教的立場や地域社会での位置づけも理解できるようになります。
12. 地名辞典を読む
ご先祖が暮らした土地の歴史を知るためには、地名辞典が大きな助けとなります。代表的な文献には、
『角川日本地名大辞典』(角川書店)
『日本歴史地名大系』(平凡社)
があります。これらには、村の領主、戸数と人口、米の生産高や年貢(税金)、特産物、神社や寺院の名前など、地域の暮らしぶりを具体的に知ることができる情報が豊富に記されています。
13. 郷土誌を読む
ご先祖の暮らした土地をさらに深く知るには、郷土誌の活用が不可欠です。
まずは狭い地域を扱った地域史から読み始める、次に市町村史、さらに都道府県史へと範囲を広げていく、というステップで進めると理解が深まります。
地方の郷土誌は近隣の図書館に所蔵されていない場合もありますが、その際は図書館間相互貸借制度を利用して取り寄せ可能です。
さらに、地域ごとの著名人物をまとめた人名辞典も刊行されていますので、こちらも調査の重要な資料となります。
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5代目製本業経営者。体を動かす事が趣味でジムに週5回通ってます。
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