家系図作成をしていると「江戸時代にも戸籍のようなものがあったのだろうか?」と疑問に思うことがありますよね。
今回は、江戸時代に作られた戸籍に近い記録についてご紹介します!
❓Q:江戸時代にも戸籍のような記録は作られたのですか?
✅ A:作られていました。代表的なものは「宗門改帳」と「人別帳」です。
江戸中期以降、次のような記録が作られました。
【1】宗門改帳(しゅうもんあらためちょう)
人々の宗派や菩提寺を記録した帳簿。
キリシタン(キリスト教徒)ではないことを証明するために作成されました。
【2】人別帳(にんべつちょう)
領主が領内の労働力や人口を把握するために作成した帳簿。
家族構成や奉公先などが記載されています。
また、これら2つの性質を兼ね備えた**「宗門人別改帳」**も作られるようになりました。
これらの帳簿には、
・家族の氏名
・年齢
・続柄
・奉公先(奉公している場合)
などが原則として記載されています。
✍️ その他、江戸時代の記録
検地帳(けんちちょう)
→ 土地の面積・質・作物などを記録し、年貢徴収の基礎に。
名寄帳(なよせちょう)
→ 土地や家屋の所有状況をまとめた帳簿。
これらは農村社会の実態を知る貴重な資料ですが、検地帳・名寄帳は作成例が少なく、現存数も限られています。
📚現存している宗門改帳・人別帳について
宗門改帳や人別帳は毎年のように更新されたといわれていますが、新しいものが作られるたびに古いものは基本的に破棄されたため、現代まで残っているものはごくわずかです。
🌸 比較的多く現存している地域例:
長野県
福島県
これらの地域では、江戸時代を通じて大量の宗門改帳や人別帳が現存しており、家系調査の大きな手がかりになることがあります。
✨まとめ
・宗派・菩提寺を知りたい
→宗門改帳、宗門調査、禁教対策
・家族構成・奉公先を知りたい
→人別帳、人口管理、労働力把握
・土地や年貢状況を知りたい
→検地帳・名寄帳、年貢徴収、土地管理
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5代目製本業経営者。体を動かす事が趣味でジムに週5回通ってます。
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