【よくあるご質問⑧】ご先祖の「身分」や「職業」はどう調べたらいいの?

家系図を調べていく中で、「先祖が庄屋だったと聞いた」「昔、商人だったらしい」といった断片的な情報から、「どうすれば確認できるのか?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、先祖の社会的な地位や職業を調べる方法についてご紹介します。

❓Q:ご先祖は庄屋だったと聞いています。本当にそうだったか調べる方法はありますか?
✅ A:地名辞典や市町村史などの地域史資料が有力です。
おすすめの調査手段は、
 ・『角川日本地名大辞典』や『日本歴史地名大系』には、その村の庄屋・名主の苗字が記載されていることがあります。
  記述の出典に「〇〇家文書」などの村方文書が使われている場合、その〇〇家が庄屋である可能性が高いです。

 ・『市町村史』にも、庄屋・名主や戸長の一覧が掲載されていることが多く、江戸から明治への役職の継承を確認できます。
  庄屋が明治期に戸長として任命されていることはよくあるため、戸長の名前にご先祖の苗字があれば、庄屋の家系である可能性が高いと推測できます。

❓Q:ご先祖は裕福な商人だったと聞いています。調べる手段はありますか?
✅ A:屋号がわかっていれば江戸時代、わからなくても明治以降の名鑑で確認可能です。

以下の資料がおすすめです。

 ・『江戸商家・商人名データ総覧』(地域別に刊行)
 ・『都道府県別 資産家地主総覧』や『日本全国商工人名録』
 ・全国規模の紳士録・商工人名録・会社役員録(当HP内にも掲載目録あり)

商人の場合、屋号がわかれば江戸時代の資料にさかのぼることも可能です。
屋号が不明でも、苗字から検索できる資料も多いため、明治以降の文献からアプローチするのが現実的です。

❓Q:ご先祖は役人だったと聞いています。履歴を調べることはできますか?
✅ A:明治以降であれば、国立国会図書館デジタルコレクションなどで職員録を確認できます。

以下の資料がおすすめです。

・国立国会図書館デジタルコレクション →「官員録」「職員録」で検索
明治以降の中央省庁や地方自治体職員の名簿が閲覧可能です。
樺太庁、台湾総督府、朝鮮総督府の職員録も確認できます。
所属していた役所が現在も存続している場合は、人事課に問い合わせると在職証明が得られる場合も。

❓Q:先祖の社会的な地位を知りたいのですが、何か方法はありますか?
✅ A:戦前の『日本紳士録』などの資料を調べてみましょう。

・『日本紳士録』(例:昭和11年版)
 → 所得税50円以上・営業税70円以上を納めた全国の約18万人の個人情報が掲載されています。
 → 氏名・住所・職業・納税額・所属団体・電話番号など詳細記載。

掲載されているということは、当時一定以上の資産や地位を持つ名士であった証拠です。
また、以下のような資料にも掲載されている可能性が高まります。

・『大衆人事録』
・『人事興信録』

これらの資料も国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能です。