かつての日本では「家」が家族制度の中心にありました。いわゆる拡大家族制で、長男が代々家を継ぐことが定められ、土地や財産も分家しながら承継されてきました。家の存続は先祖への責務とされ、子がいない場合には養子を迎えてでも家を守ることが当然と考えられていたのです。そのため、多くの旧家では古くから家系図が残されてました。
しかし、戦後の民法改正によって「家制度」は廃止されました。生活様式も大きく変わり、核家族化や都市部への移住が進むことで、祖父母どころか両親とも離れて暮らすことが一般的になりました。その結果、先祖や家の歴史に関心を持つ人が少なくなり、家系図を作る家も減少していきました。
とはいえ、家制度がなくなった今でも「家系図」の意義は失われていません。むしろ、かつてのように家の権威や存続のためではなく、自分の命に込められた使命を自覚し、先祖の良きものを受け継ぐためのツールとして、家系図の重要性は増しています。
現代における家系図は、単なる歴史資料ではなく、「自分のルーツを知り、未来へつなぐ」ための大切な架け橋なのです。
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